地獄の映画録

「ここは地獄なのかよクソ!」が口癖の映画レビューです

今週のニュース②【2015/7/25~31】

 酒蔵における酒造りの最高責任者、或いは職人集団のことを杜氏(とうじ)と呼ぶ。後者においてその形態はどこかの酒蔵の専属というよりは、傭兵集団として出向き、指導に努め、蔵元にその年の酒を残して去るという請負業務に近い。今となってはその多くが消滅の危機にあるものの、伝統的な酒造りにおいてその知識と経験は欠かせないものである。映画「一献の系譜」ではそんな杜氏集団のひとつ、能登杜氏に密着している。

伝説をつくった男たち「能登杜氏四天王」を識ると日本酒がもっと旨くなる!! - NAVER まとめ

 大手酒造メーカーでは機械化や社員教育によって杜氏の居場所は少なくなり、杜氏を有しない「獺祭*1」など、伝統から踏み出した新しい酒造り体制も展開されつつある。そんな中、杜氏の魅力を如何に伝え、その技を後世に残すのか。今のところ東京と石川以外での公開は決まっていないが、一日本酒好きとして是非とも知られざる杜氏の世界を堪能してみたい。

 

 同じく日本酒のドキュメンタリーとして「KAMPAI! FOR THE LOVE OF SAKE」は海外の映画祭に招待されている。京都の外国人杜氏など、日本酒を世界に広める3人の男たちにスポットを当てており、伝統の奥深さに迫った「一献の系譜」と合わせて見ることで、より多角的に日本酒というものを捉えることができそうだ。

 

ナウシカのような美少女の恋模様と衝撃のラスト「草原の実験」予告公開 : 映画ニュース - 映画.com

 先週取り上げた「シーズ・ファニー・ザット・ウェイ」と同じく、こちらも昨年の東京国際映画祭で話題を呼んだ作品。台詞なし、映像美、衝撃の結末という事前情報から、とにかくスクリーンから目が離せなさそう。そして、あまり余計なことは知らないで見た方が良さそう。なので予告編もパッと1回だけ見て、続報も無視して、twitterなどで感想を目に入れないように公開を待ちたいと思う。

 というかナウシカのような美少女ってなんだ。「草原に生きる主人公の姿」だけでは短絡的すぎるし、作品内容的に文明との対峙があるということだろうか。

 

マット・デイモンが火星に置き去りに、「オデッセイ」オンライン限定予告公開 - 映画ナタリー

 リドリー・スコット監督の最新作はホメロスの「オデュッセイア」を下敷きにしたSF叙事詩。火星で遭難した宇宙飛行士が知恵を巡らして生き延び、SOSのメッセージを受けた仲間たちが一蓮托生の思いで救助に向かう。

 またマット・デイモンが惑星に置き去りにされてしまうのか……。

 

「私たちのハァハァ」予告編公開、4人の女子高生が自転車で駆け抜けたひと夏 - 映画ナタリー

男子高校生の日常」の映画化を担い、「自分の事ばかりで情けなくなるよ」でクリープハイプの音楽を映像化し、「ワンダフルワールドエンド」で女の子同士の世界を描いた松井大悟監督の最新作は、クリープハイプのライブのために東京を目指す女子高生の日常という集大成のようなあらすじ。

 正確には日常ではなく、冒険か。「ワンダフルワールドエンド」に「イージーライダー」を感じた身としては、松井監督とロードムービーは相性がいい気がする。キャストもVine女子高生やシンガーソングライターなどバラエティーに富み、どのように魅力を引き出すのか見どころ。

 しかし、福岡から東京までの約1000キロをママチャリで、というのは相当きつい。かくいう私もママチャリで1日100キロ程走ったことがあるが、足はもちろん、ケツがヤバい。立ちこぎしかできなくなる。それも夏、避けて通れない坂道などを考えると、女子高生の体力では……と思ったけど予告編では車に乗ってたりもするし、運転手の池松壮亮も絡んで色々とドラマがありそう。

 

 

映画館で銃乱射、3人が死亡 「映画の一部だと思った」と目撃者(アメリカ)

米映画館でまたも銃撃殺傷事件発生 暗視カメラと金属探知機は必要か? : 映画ニュース - 映画.com

 アメリカの映画館で起こった銃乱射事件。正直映画館であろうとなかろうと、対策のしようがない気がするが。

 2012年にコロラド州の映画館で70人の死傷者を出した乱射事件は、「ダークナイトライジング」のプレミア上映に合わせて、前作「ダークナイト」の敵役ジョーカーを名乗る犯人による犯行だった。

 今回も何か上映された作品に因縁があるのかと思いきや「トレインレック」というコメディ映画で、犯人も現場で自殺したため動機は不明。犯人は58歳ということで、映画館デートに誘ったけど断られたから~という理由でも無さそうだが……

 日本ではあまり起こり得ない事件かもしれないが、映画館というのは暗闇でスクリーンに集中している分、周囲に気が向かず、少しの事では声も出しにくく、無防備な状態ではある。何らかの事件に巻き込まれる可能性を考えて、映画館側がどんなに注意してもしすぎることはないだろう。