地獄の映画録

「ここは地獄なのかよクソ!」が口癖の映画レビューです

2015-01-01から1年間の記事一覧

今週のニュース②【2015/7/25~31】

知られざる日本酒造りの世界&杜氏の姿に迫るドキュメンタリー公開! : 映画ニュース - 映画.com 酒蔵における酒造りの最高責任者、或いは職人集団のことを杜氏(とうじ)と呼ぶ。後者においてその形態はどこかの酒蔵の専属というよりは、傭兵集団として出向…

「神々のたそがれ」

遺作にして大作、そして怪作 アレクセイ・ゲルマン(1938-2013)はロシアの映画監督。生涯に残した作品は「道中の点検」(1971)、「戦争のない20日間」(1976)、「わが友イワン・ラプシン」(1984)、「フルスタリョフ、車を」(1998)、そして遺作となっ…

今週のニュース①【2015/7/18~24】

今までのように映画ニュースを1記事で1つ取り上げるのは、話を広げるのに限界がある上、記事の書き方としてもどうかなあと思ったので、これから個人的に気になったニュースを毎週末にピックアップしていく形にしようと思います。 拾ってくるサイトは映画.com…

「コングレス未来学会議」

現実と仮想、どちらに生きるか 「惑星ソラリス」で知られるスタニスワフ・レムの原作「泰平ヨンの未来学会議」を「戦場でワルツを」のアリ・フォルマン監督が映画化。未来のハリウッドを舞台に実写とアニメーションを駆使して描かれるドラッグムービー。 実…

室生犀星原作を石井岳龍が映画化 主演に二階堂ふみ

金沢の生んだ大正・昭和期の文人、室生犀星(1889-1962)晩年の小説「蜜のあわれ」(1959・新潮社)が、「地獄でなぜ悪い」「私の男」の二階堂ふみ主演、「狂い咲きサンダーロード」「ソレダケ that's it」の石井岳龍監督によって映画化、2016年公開されるら…

次世代型「女の子」映画3本立て

いまを生きる女の子と不可視な男たち 今年の四月某日に元町映画館で「ワンダフルワールドエンド」「世界の終わりのいずこねこ」「おんなのこきらい」の上映&トークライブ3本立てを見る機会があった。この3作品については役者やスタッフが一部かぶっていたり…

「ラブ&ピース」

©「ラブ&ピース」製作委員会 人と亀の織りなす愛の特撮コメディー 近頃やけに制作ペースの早く、評判もまちまちな園子温監督の新作。だが今回は原作ものではなく、「地獄でなぜ悪い」に続くオリジナルと来たら期待は高まる。 正直、あらすじも聞かず、予告…

「ディストピア映画20傑」にディストピア映画はいくつ入っているのか

ディストピア=暗くて暴力的な近未来? 米サイト選出「ディストピア映画20傑」1位に「ブレードランナー」、「AKIRA」は? : 映画ニュース - 映画.comeiga.com ディストピア映画20傑が選ばれたらしい。どういった映画が選ばれているのかは実際に記事を参照し…

ソ連映画から読み解く政治的寓意性

映画をむしばむ検閲制度――「アンドレイ・ルブリョフ」 旧ソ連における検閲制度は、スターリンが独裁権力を持った1930年以降に厳しさを増し、そこでは新聞、書籍、雑誌といった印刷物ばかりでなく、映画、ラジオ、演劇、絵画、造形物、歌、ダンスなどあらゆる…

「百万の眼を持つ刺客」――愛が人類を救う?インターステラー顔負けのB級SF

開始1分、パッケージ詐欺 半裸の美女に襲いかかるおぞましい怪物。 THE BEAST WITH 1,000,000 EYES! というインパクトのあるタイトル。 高架下の中古レコード屋(レコードが通路にまで平積みにされている)でこのDVDを発掘した時の胸の踊りようといったらな…

「ノスタルジア」「惑星ソラリス」etc.映像詩人タルコフスキーの長編Blu-ray出そろう

入手困難からの一転攻勢 怒涛のBlu-ray化 今までタルコフスキーといえば、その知名度のわりにDVDの出荷枚数が少なく、2000年代初頭に発売されたDVDのほとんどが中古やオークションで10000円以上のプレミアをつけるという状況にあった。 今でこそBlu-ray化に…

「her/世界でひとつの彼女」――代筆業という“中国語の部屋”

Siriと恋する近未来 「マルコヴィッチの穴」「かいじゅうたちのいるところ」など、へんてこな世界で悩み生きる人(かいじゅう)たちを描いてきたスパイク・ジョーンズの最新作は、人工知能OSサマンサ(声・スカーレット・ヨハンソン)が代筆業を営むセオドア…

「地獄の英雄」――巨匠ビリー・ワイルダーの早すぎた傑作

“人間の魂の値段についての映画” このブログのタイトルを「地獄の映画録」に決めた瞬間、最初に書くべきレビューの候補は3つあった。一つはもちろんフランシス・F・コッポラの「地獄の黙示録」。もう一つは最近のところで園子温の「地獄でなぜ悪い」。 前者…